講演会&セミナー 2021年度

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今後のセミナー予定

セミナー記録

2021年 9月 7日 (火)15時00分-  分子生物学科セミナー (オンライン) 

演者:山形敦史 博士(理研)
題目:クライオ電子顕微鏡を用いたタンパク質の構造解析

クライオ電子顕微鏡を用いた生体分子の構造解析は近年最も発展が目覚ましい分野の一つである。2017 年には溶液中のタンパク質の高分解能構造解析のためのクライオ電子顕微鏡法の開発にノーベル賞が授与された。実際にクライオ電子顕微鏡法はこれまで結晶構造解析やNMRでは解析が難しかったような試料にも構造解析の道を拓き、生化学の新たな時代に導くものと期待されている。しかし、現実には多くの研究者にとってまだまだ馴染みの薄い技術であるのことも間違いない。本セミナーでは、理化学研究所・横浜事業所での構造解析の例として、光合成細菌の光反応中心・集光アンテナタンパク質の構造解析を中心に紹介し、実際のサンプル調整や測定・解析に関する工夫を紹介する。また、実際に構造解析に従事している、あるは今後クライオ電顕の使用を考えている方に向けて質問や討論の時間を設ける予定である。サンプルの調製や事務手続きなど普段聞きにくいことにも対応しますので、積極的なご参加をお願いします。

2021年 8月31日 (火)13時30分-14時40分 分子生物学科・グリーンバイオ研究センター共催 (オンライン)

演者:吉田啓亮 助教(東工大・化学生命科学研究所)
題目:チオレドキシン系を基盤とした葉緑体の機能統御ネットワーク

チオレドキシン(Trx)は、標的タンパク質のシステイン残基の酸化還元状態を制御することでその分子活性を調節する“レドックス制御”において中心的な役割を果たしている。Trxを介したレドックス制御系はすべての生物に普遍的であるが、葉緑体のシステムは光合成電子伝達系と共役して光依存的に働くという点で特徴的である。フェレドキシンからTrxを介して特定の標的タンパク質へと至る還元力伝達経路は、約半世紀前にBuchananらによって同定されて以降、葉緑体のレドックス制御を司る分子基盤として理解されてきた。しかし近年、複数のTrx分子種やTrx様タンパク質、さらにはそれらによって制御されるであろう様々な標的タンパク質が網羅的に同定され、葉緑体には複雑かつ高度に組織化されたレドックス制御ネットワークが存在する可能性が浮かび上がってきた。我々は分子生物学・生化学から生理生態学を貫徹する多角的アプローチを駆使し、その全体像の徹底解明に挑んでいる。本セミナーでは、当該分野の最大の謎であったタンパク質酸化装置の実体、新規の標的タンパク質とその生化学的な制御機構、ゲノム編集を活用することで見えてきた新しい生物学的意義など、この制御ネットワークに関する最近の知見を紹介したい。

2021年 7月 8日 (火)18時00分-19時20分 HiSEP特別セミナー(分子生物学科/グリーンバイオ研究センター共催) (オンライン)

演者:Ana Maria Otero Casal 教授 (サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学)
題目:バクテリアのコミュニケーション』(抗生物質に代わる感染症治療薬の開発を目指して) "Tackling bacterial communication as an alternative to the use of antibiotics"

Infections caused by Multi-drug resistant (MDR) pathogenic bacteria are expected to be the first cause of death by 2050. Therefore, we are in deep need of identifying alternative treatments to overcome this important healthcare threat. Among the different strategies that are being explored to fight MDR bacteria, interfering with the elaborated communication mechanisms evolved by pathogenic bacteria to coordinate their attack is one of the most promising strategies. Best characterized microbial communication systems are based on the emission of chemical signals, called autoinducers, that control many important biological functions such as antibiotic biosynthesis, virulence, plasmid conjugal transfer, swarming, endospores formation, or biofilm differentiation, in a process known as Quorum Sensing. Due to the importance of quorum sensing in bacterial pathogenesis, other bacteria and higher organisms have developed mechanisms to disrupt the bacterial communication channels as a defense mechanism. These mechanisms, generally known as Quorum Quenching strategies, are being explored for the control of MDR bacteria and are already being applied in other biotechnological fields, such as waste-water treatment plants or avoiding microbial-induced corrosion. Moreover, experimental evidence is being accumulated on the microbial emission and response to physical signals such as sound waves, electromagnetic radiation, and electric currents, but the role of these physical communication systems in microbial pathogenesis remains unknown. This lecture will review the different languages developed by microbes and how they were discovered, as well as some of the current applications of quorum quenching strategies.

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