講演会&セミナー 2013年度

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2014年3月31日 (月) 10時40分ー12時10分  理学部3号館11番教室 分子生物学科セミナー

演者: 鈴木 基生 博士 (香川大学医学部分子微生物学研究室) 
題目: マウス腸内難培養菌SFBの胞子精製と発芽誘導

Segmented filamentous bacteria (SFB) は宿主腸管内では増殖するが、人工培地では未だ培養できない胞子形成性の難培養菌である。SFBは宿主腸管粘膜固有層においてIL-17を産生するCD4陽性T細胞(Th17)を誘導することが知られているが、そのメカニズムは不明である。本菌由来の免疫修飾分子を同定するためには、その培養法と遺伝子操作法の開発が必要である。我々は無菌マウスを用いて純化したマウス由来SFBの全ゲノム配列を決定し、本菌はクロストリジウム属に近縁であるが、アミノ酸やビタミンの生合成に関わる多くの遺伝子を欠損していることを明らかにした。SFBの試験管内培養法を確立するためには、ゲノム解析による代謝経路の把握とともに、腸管内での発芽シグナルを検索することが重要である。本発表では、2年間室内環境で保存したSFBノトバイオートマウスの乾燥糞便からSFB胞子を密度勾配遠心により精製し、本菌の腸管内での発芽と増殖について検討した結果を紹介する。精製胞子を無菌BALB/cマウスに接種し、その発芽および増殖をジピコリン酸定量と定量的PCR法によりそれぞれ解析した。SFB胞子は2年間の室内保存によっても死滅せず、マウス腸管内での増殖性を維持しており、腸管粘膜固有層においてTh17細胞を誘導した。回腸末端におけるジピコリン酸量は胞子接種後24時間後に上昇し、接種後早期に発芽していると推測された。また、SFBの特徴的な菌体は接種後1週目より観察され、これは定量的PCRの結果とよく相関していた。現在、腸管のどの部位にSFB胞子の発芽シグナルが存在しているのかについて検討中であり、その結果についても併せて報告したい。

また、New Jerseyの井上正順教授のもとで鈴木博士が開発したMazF誘導による単一タンパク質生成システム(SPP system)の、最近の発展の状況についても、時間の余裕がありましたら、ご紹介いただけることと思います。

M. Suzuki, L. Mao & M. Inouye Single protein production (SPP) system in Escherichia coli. Nature Protocols 2, 1802 - 1810 (2007)

2013年12月11日 (水) 16時30分ー18時  理学部講義実験棟1番教室  分子生物学科/環境科学研究センター共催セミナー

演者: Prof. Ana Otero(University of Santiago de Compostela, Spain) 
題目: Advances and constrains in large-scale production of biodiesel from microalgae

In recent years an enormous amount of research and economic effort has been focused on the production of biodiesel from microalgae, but we are still far from seeing a mature technology. Besides the basic work required for strain selection and improvement, including the construction of genetically engineering strains with enhanced photosynthetic capacities and/or higher lipid synthesis rates, most crucial problems to be solved are the reduction of production costs by improving culture systems and downstream processing. In a scenario in which current production costs are at least 1 order of magnitude higher that those required for competitive production of biodiesel of microalgae, the concept of biorefinery, in which an integral use of microalgal biomass is proposed, is gaining solidity, together with the combination of biodiesel production with other microalgal applications such as wastewater treatment and CO2 capture. In this lecture theoretical estimations and current productivity values obtained with different photobioreactor systems will be reviewed as well as the main constraints encountered in the reduction of production costs.

微細藻類を用いたバイオ燃料の生産に大きな期待が寄せられている。スペインでは、1980年代から世界に先駆けて研究開発が進められており、学術的にも技術開発でも大きな進歩を遂げている。しかし一方で、コスト面など多くの課題も現れてきた。本講演では微細藻類のバイオ燃料研究に長年携わってきたOtero准教授が、研究の現状と展望、課題についてわかりやすく解説する。

2013年10月29日 (木) 16時20分ー17時50分 理学部3号館11番教室 分子生物学科セミナー

フランス・ルーアン大学の Nguema-Ona 博士をお招きして、学生主体の研究交流会と学科セミナーを開催します。ご専門は
植物細胞壁ですが、植物-土壌微生物の相互作用に関する研究も精力的に展開されています。奮ってご参加ください。

第一部 研究交流会 13:30~ セミナー室 2
大学院生が Nguema-Ona 博士に研究発表(10 分程度)します。生体物質研の3~4 名が発表しますが、他の学生さんの発表も歓迎いたします。発表希望者は、申し出てください。

第2部・学科セミナー 16:20~ 11 番教室
演者: Dr. Eric Nguema-Ona (ルーアン大学) 
題目: Unraveling the Role of Plant Cell Wall Components in Plant Defense: A Focus on Xyloglucan and Arabinogalactan Proteins
The plant primary cell wall is a highly dynamic compartment involved in several biological processes in plants including the control of the rate and direction of cell growth, morphogenesis as well as in plant defense. Here, I have chosen to illustrate, using two cell wall components (namely xyloglucan and arabinogalactan proteins), different cell wall-related mechanisms of defense used by plants, in order to respond to attacks caused by plant pathogens.
参考文献 Nguema-Ona et al. (2013) Trends in Plant Science

2013年9月26日 (木) 17時ー18時30分 理学部3号館11番教室 集中講義 分子生物学特別講義III 公開セミナー

演者: 久堀 徹 教授 (東京工業大学資源化学研究所) 
題目: ATP合成酵素:生体内の分子モーターとその制御機構

ATP合成酵素は、生命の根幹を支える重要な酵素であり、原核生物から真核生物に至るまで、ほとんどの生物はこの酵素が生み出すATPにその生命活動を支えられている。そのため、ATP合成酵素の全体構造は非常によく保存されている。ところが、この酵素の活性制御機構については、その生活様式に応じたバラエティーが見られることが明らかになってきた。なかでも、葉緑体のATP合成酵素は、光合成の電子伝達系と共役して炭酸固定に必要なATPを生産しているため、この酵素の活性は、光環境に適した形で制御されていると考えられる。私たちは、これまで1分子生化学と生化学研究によって、この酵素の制御に関して様々な面白い知見を得てきた。これらを総括して、この酵素がどのように進化して活性制御機構を獲得したのかを紹介する。

2013年9月19日 (木) 16時30分ー18時 理学部3号館11番教室 分子生物学科/環境科学研究センター共催セミナー

演者: 伊藤 卓朗 特任助教 (慶應義塾大学先端生命科学研究所)
題目: メタボロミクスによるオイル産生藻類の代謝解析

微細藻類は光合成を利用した新たな物質生産プラットフォームとして、特に石油代替燃料生産への利用が期待されています。これまでは、栽培の歴史が浅く、微小で観察が難しいため、生理・生化学的知見は限られていましたが、近年開発された代謝物質一斉解析法(メタボロミクス)により、俯瞰的な代謝変化を短時間で明らかにできるようになりました。本講演では、一次代謝物質と脂質の一斉定量(メタボロミクス)の技術的概要と、それを利用したオイル産生藻類の代謝解析について紹介します。

2013年9月18日 (水) 13時30分ー15時 理学部3号館11番教室 分子生物学科/環境科学研究センター共催セミナー

演者: 成川 礼 助教 (東京大学大学院総合文化研究科) 
題目: シアノバクテリアの光応答戦略解明とその応用利用

光合成生物は高度な光応答機構を備えています。本発表では、特に幅広い光質を感知するシアノバクテリオクロムという光受容体に着目して、光応答戦略について分子レベルから細胞レベルまで概説します。また、現在、得られた知見を基に応用研究に着手していますので、その研究戦略、進捗状況、展望についても紹介します。

2013年9月9日 (月) 15時30分ー17時 理学部3号館11番教室 分子生物学科/環境科学研究センター共催セミナー

演者: 野口 航 准教授 (東京大学大学院理学系研究科 生物科学専攻) 
題目: 植物の呼吸代謝系の環境応答

 生育場所から動くことのできない植物は、変動する環境にすばやく応答する必要がある。なかでも光合成器官である葉は、時間的・空間的変動の大きい光環境に柔軟に応答しなければならない。過剰な光エネルギーがあたる状況では、葉緑体内で様々な防御機構が誘導されることが知られている。ミトコンドリア呼吸鎖もまた光エネルギーの散逸系として、最適な光合成を実現するのに働いていると考えられている。特に、ATPエネルギー生産と共役しないバイパス経路であるtype II NAD(P)H dehydrogenase (ND), alternative oxidase (AOX), uncoupling protein (UCP) は、散逸系として効率よく働く可能性がある。われわれはこれらバイパス経路のうちAOXに注目して、強光下のシロイヌナズナ葉におけるAOXの応答性について解析を進めてきた。
 これまでに、AOX遺伝子のうちAOX1aが強光下で強く誘導され、それに続けてAOXタンパク質量が蓄積していくこと、AOX1aは葉緑体由来のシグナルにも依存して誘導されること、AOX量が著しく少ないAOX1a欠損株(aox1a)では強光下では、光合成電子伝達系が阻害されることを明らかにしてきた。本セミナーでは、これまでの結果と現在取り組んでいることについて紹介する予定である。

2013年8月29日 (木) 16時20分ー17時50分 理学部3号館11番教室 

演者: 道川 貴章 博士 (独立行政法人理化学研究所光量子工学研究領域) 
題目: 蛍光タンパク質センサーを用いたマウス小脳プルキンエ細胞の活動のリアルタイム可視化
 

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