研究業績 2023年度
2022年度 |2021年度 |2020年度 |2019年度 |2018年度 |2017年度 |2016年度 |2015年度 |2014年度 |2013年度 |2012年度 | 2011年度 | 2010年度 | 2009年度 | 2008年度 | 2007年度 | 2006年度
原著論文
- Nakamura R, Takahashi Y, Tachibana S, Terada A, Suzuki K, Kondo K, Tozawa
Y, Hihara Y (2024) Partner-switching components PmgA and Ssr1600 regulate high-light acclimation
in Synechocystis sp. PCC 6803. Plant Physiol, in press
- シアノバクテリアSynechocystis sp. PCC 6803において、PmgAは、光合成と呼吸をともに行う光混合栄養条件下や、長時間の強光条件下での生存に必須な因子であり、パートナースイッチング制御系のアンチシグマ因子と相同性を示すが、その細胞内での機能は解明されていなかった。本研究では、PmgAがアンチシグマアンタゴニスト様タンパク質Ssr1600をリン酸化することでその蓄積量を制御し、長時間強光下において、クロロフィルおよび光化学系Ⅰ量の蓄積を抑制していることを見出した。PmgA-Ssr1600の関係性は、アンタゴニストが系のアウトプットとして働く点において、典型的なパートナースイッチング制御系と異なっており、今後、その作用機構の解明を目指していきたい。(タンパク質科学:戸澤、遺伝子発現制御:日原)
- Napaumpaiporn P, Ogawa T, Sonoike K, Nishiyama Y (2024) Improved capacity for the repair of photosystem II via reinforcement of the translational and antioxidation systems in Synechocystis sp. PCC 6803. Plant J 117:1165-1178
- これまでの研究から、強光下で活性酸素が発生すると、翻訳因子EF-Tuが酸化傷害を受け、タンパク質合成が抑制されて光化学系IIの修復が阻害されることがわかっている。そこで本研究では、EF-Tuの酸化標的であるCys82をセリンに置換した改変型EF-Tu、および活性酸素消去系酵素スーパーオキシドディスムターゼとカタラーゼをシアノバクテリアで過剰発現させた。その結果、活性酸素の発生が抑えられ、光化学系IIの光阻害が劇的に緩和した。さらに、新たな遺伝子改変株は強い強光下でも生育するようになった。したがって、タンパク質合成系の改変と抗酸化機構の改善を同時に行うことにより、光合成と生育の両方の面で強光耐性が増大することが明らかになった。(環境応答:西山)
- Suka A, Shikata T, Yuasa K, Tomaru Y, Napaumpaiporn P, Tanaka R, Nishiyama Y (2024) The toxigenic red-tide-forming dinoflagellates Alexandrium leei and Alexandrium catenella differ in terms of the sensitivity to strong light and low temperature
of their photosynthetic machinery. Algal Res 79:103495
- 渦鞭毛藻アレキサンドリウム属のAlexandrium leeiとAlexandrium catenellaはともに有害赤潮を形成するが、生育環境が異なる。A. leeiは20℃程度の中温の海水域を好むが、A. catenellaは10℃程度の低温域を好む。これらの2種の有害赤潮形成藻の温度特性を室内実験で調べた。その結果、生育・光合成活性ともにA. leeiは中温で最も至適になるのに対して、A. catenellaは低温で最も至適となった。特に光化学系IIの光阻害に対しては、A. leeiは中温〜高温で耐性が高く、A. catenellaは低温で耐性が高かった。このように室内実験で判明した温度特性が実環境中の増殖・集積動態と相関することがわかった。本成果がこれらの有害赤潮種の発生予測や魚介類への毒性メカニズム解明へ貢献することが期待される。(環境応答:西山)
- Takahashi D, Soga K, Kikuchi T, Kutsuno T, Hao P, Sasaki K, Nishiyama Y,
Kidokoro S, Sampathkumar A, Bacic A, Johnson KL, Kotake T (2024) Structural changes in cell wall pectic polymers contribute to freezing
tolerance induced by cold acclimation in plants. Curr Biol 34:1-11
- 植物は気温の低下を感知すると凍結耐性を高めることができる(低温馴化)。低温馴化では様々な変化が細胞内で起きているが、植物細胞を取り囲んでいる「細胞壁」でどのような変化が起こっているのか、ほとんど明らかになっていなかった。本研究により、細胞壁多糖の一種「β-1,4-ガラクタン」が低温馴化により増加し、組織の物理的性質の変化と凍結耐性の上昇に寄与していることを発見した。本研究はScience portal(https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20240307_n01/)や科学新聞(https://sci-news.co.jp/topics/8804/)でも取り上げられた。(植物糖鎖:小竹・高橋大)
- Hishida A, Shirai R, Higo A, Matsutani M, Nimura-Matsune K, Takahashi T,
Watanabe S, Ehira S, Hihara Y (2024) CRISPRi knockdown of the cyabrB1 gene induces the divergently transcribed icfG and sll1783 operons related to carbon metabolism in the cyanobacterium Synechocystis sp. PCC 6803. J Gen Appl Microbiol, in press
- シアノバクテリアのcyAbrB2は、炭素・窒素の代謝制御に関わる重要な転写因子であることが明らかになったが、遺伝子欠損株が得られないcyAbrB1についての機能解析は遅れていた。そこで本論文では、 CRISPRiによりcyabrB1をノックダウンした際の遺伝子発現プロファイルをRNA-seqにより調べた。cyabrB1は必須遺伝子であることから多くの遺伝子発現制御を担っていると予想したが、ノックダウンにより影響を受けたのは、ゲノム上に上流域を共有して反対向きに位置する2つのオペロンと、他いくつかの遺伝子のみという意外な結果が得られた。(遺伝子発現制御:日原・高橋朋)
- Dayarathne K, Ishikawa T, Watanabe S, Ishikawa Y, Aikeranmu K, Kitagawa
H, Komatsubara N, Yamaguchi M, Kawai-Yamada M (2023) Heterologous expression of mtf and mtc genes of Pseudanabaena foetida var. intermedia is sufficient to produce 2-methylisoborneol in Escherichia coli. Microbiology Spectrum 11:5
- 水道水の異臭問題を引き起こす藍藻として知られているPseudanabaena foetida var. intermediaはカビ臭物質2-メチルイソボルネオール(2-MIB)を産生する。2-MIB産生に関与すると予測された4つの遺伝子を単離し、大腸菌内で異なった組み合わせで発現させた結果、本来2-MIBを産生しない大腸菌に2-MIBを作らせることに成功した。本研究により、2-MIB合成に直接関わる2つの酵素をコードする遺伝子を同定するとともに残りの2遺伝子が2-MIBの細胞内での保持に関与する可能性を見出した。(植物環境科学:石川・川合)
- Aratani Y, Uemura T, Hagihara T, Matsui K, Toyota M (2023) Green leaf volatile sensory calcium transduction in Arabidopsis. Nat Commun 14: 6236
- 草を刈った時、植物特有の青臭い匂いが空気中を漂います。この匂いは、植物が互いに情報をやりとり(コミュニケーション)するための危険信号として働いています。しかし、匂いを介した植物間コミュニケーションをリアルタイムで可視化した研究はありませんでした。我々は、Ca2+のバイオセンサーおよび広視野・高感度蛍光顕微鏡を用いて、シロイヌナズナが、別の植物体から放出される匂いを感知し、Ca2+シグナルを発生させる瞬間をとらえることに成功しました。細胞・組織特異的なCa2+イメージングおよび遺伝子発現解析を行ったところ、植物は匂い分子を気孔から取り込み、Ca2+シグナルを発生させることで抵抗性遺伝子を発現させていることが示唆されました。(細胞情報:豊田)
- Sasaki T, Takita S, Fujishiro T, Shintani Y, Nojiri S, Yasui R, Yonesaki T, Otsuka Y (2023) Phage single-stranded DNA-binding protein or host DNA damage triggers the activation of the AbpAB phage defense system. mSphere e0037223 DOI:10.1128/msphere.00372-23
- 細菌はファージの感染から逃れるために、さまざまな防御機構を発達させてきた。我々は、大腸菌がもつ機能未知因子群AbpA-AbpBが広範なファージの増殖を抑制することを見出していた。本論文では、まず、AbpA-AbpB が宿主細菌の増殖を阻害することで、ファージの増殖を抑える(不稔感染)こと見出した。さらに、AbpAがもつDNAヌクレアーゼ活性とAbpBがもつRNAヘリケース活性が抗ファージ作用に必要であることも示した。最後に、AbpA-AbpBを活性化する因子群や条件を明らかにした。本成果は、AbpA-AbpBだけでなく、さまざまなファージ防御機構の解明につながるものである。(分子微生物学:大塚)
- Fujishiro T, Takaoka K (2023) Class III hybrid cluster protein homodimeric architecture shows evolutionary
relationship with Ni, Fe-carbon monoxide dehydrogenases. Nat Commun 14:
5609
- Hybrid cluster protein(HCP)はFe-S-O型の金属クラスターを活性部位とする金属酵素であり、そのアミノ酸配列から、3つのクラス(I, II, III)に分類されます。今回、class III HCPのX線結晶構造解析に成功し、その構造が他のクラスのHCPと異なり二量体であること、また遠戚関係にあるNi-Fe型金属クラスター酵素COデヒドロゲナーゼ(CODH)と非常によく似た立体構造をとることを明らかとしました。本成果は、アミノ酸配列の低いHCPとCODH間の立体構造情報を基にした分子進化仮説の提唱へとつながりました。(生物元素化学:藤城)
- Ghosh K, Takahashi D, Kotake T (2023) Plant type II arabinogalactan: Structural features and modification to increase functionality. Carbohydr Res 529: 108828
- 植物のプロテオグリカンと呼ばれるアラビノガラクタン-プロテイン(AGP)は、その複雑な糖鎖構造のために、機能解析が進んでいなかった。本総説では、構成糖分析や結合分析、NMRなどに加えて、特異的な酵素による断片化を利用した構造解析や、化学修飾によるAGPの機能性向上について紹介した。また、これまでアラビノガラクタン(AG)糖鎖は、β-1,4-ガラクタンを主鎖とするtype I AGとβ-1,3:1,6-ガラクタンを基本骨格とするtype II AGに分類してきたが、一部の植物にはβ-1,6-ガラクタンを主鎖とするAGが存在するたえ、これをtype II-related AGと分類することを提案した。(植物糖鎖:小竹・高橋大)
- Yoda A, Xie X, Yoneyama K, Miura K, McErlean C, Nomura T (2023) A stereoselective strigolactone biosynthesis catalyzed by a 2-oxoglutarate-dependent dioxygenase in sorghum. Plant Cell Phisiol 64: 1034-1045
- ソルガムはアフリカでは主要な農作物の一つであり、根寄生雑草の宿主作物である。LGS1はソルガムの根寄生雑草耐性品種から単離された。ソルガムの主要なストリゴラクトンの一つである5DSは、LGS1の触媒によって生成されるが、その機能は完全に明らかになっていなかった。本論文では、2-オキソグルタル酸依存性ジオキシゲナーゼであるSb3500が、LGS1によって生成される5DSの立体化学的生成の制御に重要であることを示した。(植物制御:米山)
- Yoneyama K, Bennett T (2023) Whispers in the dark: Signals regulating underground plant-plant interactions.
Curr Opin Plant Biol, in press
- 植物は自身の成長を最適化するため、隣接植物の存在を積極的に感知し応答することができる。植物の根浸出液は、まだまだ研究は進んでいないが、隣接植物感知メカニズムの鍵である。本総説では、根寄生雑草-宿主作物の相互作用や、一般的な植物同士の相互作用に関与する根浸出液の役割に関して最近の知見を紹介した。(植物制御:米山)
- Toriu M, Horie M, Kumaki Y, Yoneyama T, Kore-eda S, Mitsuyama S, Yoshida
K, Hisabori T, Nishiyama Y (2023) Chloroplast translation factor EF-Tu of Arabidopsis thaliana can be inactivated via oxidation of a specific cysteine residue. Biochem
J 480: 307-318
- 翻訳因子EF-TuはアミノアシルtRNAをリボソームに運搬する。本研究では、シロイヌナズナの葉緑体に局在するEF-Tu(以下、cpEF-Tu)について、組換えタンパク質を作製して酸化感受性を解析した。cpEF-Tuを過酸化水素で処理すると、システイン残基が酸化されてスルフェン酸が生成した。cpEF-Tuの翻訳活性を大腸菌in vitro翻訳系を使って調べたところ、酸化型cpEF-Tuは失活していることがわかった。成熟型cpEF-Tuに存在する2つのシステイン残基のうちCys149をセリン残基に改変したcpEF-Tuでは、過酸化水素によるシステイン残基の酸化も翻訳活性の失活も見られなかったことから、Cys149の酸化が失活の原因であることが示唆された。また、酸化型cpEF-Tuは葉緑体に存在する主要なチオレドキシンf1により還元され、再活性化されることから、cpEF-Tuの酸化は可逆的でレドックス依存的な翻訳制御メカニズムであることが示唆された。(環境応答:西山)
- Ishikawa T, Takano S, Tanikawa R, Fujihara T, Atsuzawa K, Kaneko Y, Hihara
Y (2023) Acylated plastoquinone is a novel neutral lipid accumulated in cyanobacteria.
PNAS Nexus 2: pgad092
- シアノバクテリアは細菌型のトリアシルグリセロール(TAG)合成酵素を持たないにも関わらず、薄層クロマトグラフィーにおいて、TAG標準物質と同様な位置にスポットが展開されることが、古くから様々な種において報告されてきた。本研究では、そのスポットの主要成分がTAGではなく、脂肪酸1分子をエステル結合した、膜局在性のアシル化プラストキノールであることを同定し、さらにSynechocystis sp. PCC 6803において、その合成に働くのは、真核生物のTAG合成酵素であるDGAT2と相同性を示すSlr2103であることを明らかにした。(植物環境科学:石川、遺伝子発現制御:日原)
- Kutsuno T, Chowhan S, Kotake T, Takahashi D (2023) Temporal cell wall changes during cold acclimation and deacclimation and their potential involvement in freezing tolerance and growth. Physiol Plant 175: e13837
- 植物は低温馴化後に温度が上昇すると、凍結耐性が急速に失われ、成長が再開する。この過程は脱馴化と呼ばれる。環境変化の中で植物が効率よく成長するためには、凍結耐性と成長のトレードオフを適切に制御することが必要である。多糖類を主成分とする細胞壁は、凍結耐性と成長の両方に関与している。しかし、低温馴化・脱馴化の過程で、凍結耐性と成長のバランスの変化にはどのような細胞壁構造の変化が伴っているのか不明であった。そこで、本研究ではシロイヌナズナの細胞壁変化を逐次分画と単糖組成分析により詳細に調べた。その結果、アラビノガラクタンタンパク質とペクチン性ガラクタンが、低温馴化・脱馴化における凍結耐性や成長の変化と密接に協調して変化することを見出した。(植物糖鎖:小竹・高橋大)
- Chaomurilege, Zu Y, Miyagi A, Hashida SN, Ishikawa T, Yamaguchi M, Kawai-Yamada M (2023) Loss of chloroplast-localized NAD kinase causes ROS stress in Arabidopsis thaliana. J Plant Res 136 : 97-106
- シロイヌナズナの葉緑体局在タンパク質であるNADキナーゼ(NADK2)は、光合成電子伝達の最終電子受容体であるNADP+を供給する役割があることから、植物の成長に極めて重要な役割を担っている。この酵素を作れなくなった変異体(nadk2)は、24時間明条件で育てると、葉の色が黄緑になり生育が遅延するが生育して種子を得ることができる。しかし、明暗条件では発芽はするがその後成長することができないことが分かった。また、nadk2変異体は活性酸素種を常に蓄積しており、これが生育遅延の一因であると考えられた。(植物環境科学:川合、石川)
- Suzuki S, Tanaka D, Miyagi A, Takahara K, Kono M, Chaomurilege, Noguchi K, Ishikawa T, Nagano M, Yamaguchi M, Kawai-Yamada M (2023) Loss of peroxisomal NAD kinase 3 (NADK3) affects photorespiration metabolism
in Arabidopsis. J Plant Physiol 283:153950
- NAD(P)(H)は様々な代謝経路に関与する電子伝達物質である。NAD(H)をリン酸化してNADP(H)を合成する酵素がNADキナーゼである。本研究ではペルオキシソーム局在であるNADK3の生理機能を解明するため、シロイヌナズナの機能欠損変異体の解析を行った。変異体は野生型植物に比べて生育が遅く、キャピラリー電気泳動質量分析計(CE-MS)を用いたメタボローム解析により、光呼吸等の代謝攪乱が起きていることが示された。(植物環境科学:川合、石川)
- Kaneko Y, Naito Y, Koide R, Parrish NF, Takahashi T (2023) The regulation of persistent Borna disease virus infection by RNA silencing factors in human cells. Biochem Biophys Res Commun 658: 122-127
- ボルナ病ウイルスは、高い向神経性を示し、哺乳類の中枢神経系に急性感染または持続感染するRNAウイルスである。in vitroでの感染は一般的に無症候性持続感染だが、その制御機構は未解明な点が多い。本研究ではボルナ病ウイルスが持続感染したヒト神経系培養細胞において、RNAサイレンシングの促進因子であるTRBPが、ウイルスRNA量を正に制御することを明らかにした。(遺伝子発現制御:高橋朋)
日本語総説
- 豊田正嗣(2024)「植物が“匂い”を感じる瞬間の可視化に挑む」グリーン・エージ 51: 29-33
- 植物が、匂いなどの様々な揮発性物質を用いて個体間で情報伝達していることは古くから知られていました。動物の嗅覚のような特殊な感覚をもたない植物が、傷つけられた植物から放出される匂いを感じて防御反応を引き起こす仕組みについて概説しました。(細胞情報:豊田)
- 豊田正嗣(2023)「蛍光バイオセンサーによるオジギソウの虫害防御運動シグナルの解明」植物の生長調節 58: 148-154
- 神経や筋肉をもたないオジギソウが「どのような仕組み(シグナル)を用いて葉を順々に閉じるのか」「何のために葉を動かすのか」などについて、最新のイメージング技術で可視化された映像と共に紹介しました。(細胞情報:豊田)
- 米山香織(2023)「植物間コミュニケーションにおけるストリゴラクトンの新しい機能」植物の生長調節 58: 100-104
- 物言わぬ植物は、孤独に存在しているわけではなく、隣接する植物とコミュニケーションをとっている。本総説の前半では、隣接植物を感知するためのシグナルおよびそれに対する一般的な植物の応答について紹介し、後半では、ストリゴラクトンが隣接植物の存在を感知するシグナルとして機能している可能性を解説した。(植物制御:米山)
単行本
- Fujishiro T ‘Escherichia coli class II hybrid cluster protein, HCP‘ in “Encyclopedia of Inorganic and
Bioinorganic Chemistry” R.A. Scott (Ed.), 2023 in press.
- 無機化学、生物無機化学関係の新規化合物のオンライン百科事典の執筆依頼があり、我々の研究室によって世界で初めて構造決定したclass IIに属する大腸菌由来のhybrid cluster protein (HCP)の構造や機能、生理的役割に関する最新の情報を総説形式でまとめました。(分子統御:藤城)
学会発表
3月26日 東京農業大学で開催された日本農芸化学会2024年度大会で招待講演
- 発表者:藤城貴史
題目:大腸菌組換え金属タンパク質の研究と人工合成遺伝子の活用
3月17日-19日 神戸国際会議場で開催された第65回日本植物生理学会年会で研究発表
- 発表者:豊田正嗣
題目:植物の機械刺激受容シグナル伝達機構の研究 [受賞講演] - 発表者:菊地愛菜、西垣南歩、厚沢季美江、小野真央、Chuan-Ming Yeh、Wen-Chieh Tsai、石水毅、金子康子、高橋大輔、小竹敬久
題目:キバナノセッコクにみられるグルコマンナンの液胞蓄積 - 発表者:久津野達也、小竹敬久、高橋大輔
題目:低温馴化および脱馴化における細胞壁変化は凍結耐性と生長に関わる - 発表者:菊地拓真、大橋桃花、金子康子、小竹敬久、高橋大輔
題目:イワヒバが示す乾燥耐性は,トレハロースよりも細胞壁に起因する可能性がある - 発表者:小川敬子、高橋拓子、西山佳孝、日原由香子、 園池公毅
題目:クロロフィル蛍光定常レベルの光依存性により明らかになったシアノバクテリアのエネルギー散逸機構の特性 - 発表者:安藤葵、久保寺遥、鬼沢あゆみ、日原由香子
題目:シアノバクテリアにおけるLexA転写因子の生化学的解析 - 発表者:久保寺遥、安藤葵、鬼沢あゆみ、日原由香子
題目:シアノバクテリアにおける紫外線照射時のSOS応答の多様性
3月17日 神戸国際会議場で開催された第3回原核光合成生物シンポジウムで招待講演
- 発表者:日原由香子
題目:シアノバクテリアはアシル化プラストキノンを蓄積する
1月10日 Joint CO world & 12th ELSI Symposium "EMERGENCE AND DETECTION OF LIFE" で招待講演
- 発表者:Takashi Fujishiro
題目: Insights into structural evolution of Ni,Fe-CO dehydrogenases and hybrid cluster proteins
12月8日 神戸ポートアイランドで開催された第47回日本分子生物学会のシンポジウム「RNAとウイルスの相互作用」で口頭発表
- 発表者:柴田惠子、佐々木泉、高橋朋子
題目:インターフェロンにより誘導される遺伝子とmicroRNAの抗ウイルス生体防御ネットワーク
12月2日 オンラインで開催された令和5年度日本学術会議公開シンポジウムで招待講演
- 発表者:米山香織
題目:植物-植物コミュニケーションを利用した作物の耐性強化を目指して
11月25日 オンラインで開催された日本核酸医薬学会生物セッションサテライトシンポジウムで招待講演
- 発表者: 高橋朋子
題目: microRNAによるウイルス応答制御
11月17-19日 明治大学生田キャンパスで開催された植物化学調節学会第58回大会で研究発表
- 発表者:井上舞子、Philip Brewer、謝肖男、黒岩風、戸澤譲、米山香織
題目:ストリゴラクトン生合成に関与するオオムギLBOの機能解析 - 発表者:崎岡莉子、黒瀬凌、米山香織
題目:養分条件がシロイヌナズナのストリゴラクトン生合成に与える影響 - 発表者:下田萌乃、Tom Bennett、米山香織
題目:ストリゴラクトンを介したポット容量認識
11月11日-14日 名古屋で開催された第61回日本生物物理学会のシンポジウムにて口頭発表
- 発表者:豊田正嗣
題目:Real-time visualization of intra and inter-plant communication
11月6日-8日 米国のアリゾナ州立大学で開催されたUS-Japan Binational Photosynthesis Workshopで招待講演
- 発表者:Yukako Hihara
題目:Acylated plastoquinone is a novel neutral lipid accumulated in cyanobacteria
10月28日-29日 琉球大学で開催された 第11回 植物イメージングの会にて口頭発表
- 発表者:豊田正嗣
題目:植物間コミュニケーションを可視化する
10月13日-15日 台北で開催されたTaiwan-Japan Plant Biology2023でポスター発表
- 発表者:Takuma Kikuchi, Kouichi Soga, Toshihisa Kotake, Daisuke Takahashi
題目:Complementary effects of pectic arabinan and galactan on pollen development - 発表者:Takuma Kikuchi, Momoka Ohashi, Yasuko Kaneko, Toshihisa Kotake, Daisuke Takahashi
題目:Cell wall composition may explain desiccation tolerance in Selaginella tamariscina - 発表者:Hiroto Handa, Mayuko Matsumoto, Megumi Miyagawa, Daisuke Takahashi, Shinya Fushinobu, Toshihisa Kotake
題目:Phylogenetic distribution of UDP-glucose 4-epimerases with UDP-xylose 4-epimerase activity in plants
10月10日-13日 韓国ソウルで開催されたThe 9th Asian-Oceanian Symposium on Plant Lipidsでポスター発表
- 発表者:Ishikawa T, Kitaoka M, Yamaguchi M, Kawai-Yamada M
題目:Sphingolipid ceramide unsaturation in plants: gene evolution, analytical chemistry, and biological functions - 発表者:Suzuki Y, Miyagi A, Yamaguchi M, Kawai-Yamada M, Ishikawa T
題目:Glycosphingolipids are essential for plant development but not for cell proliferation in Arabidopsis thaliana
10月1日 With you さいたまで開催された一般社団法人 日本樹木医会 第3回研修会にて招待講演
- 発表者:豊田正嗣
題目:植物の情報伝達
9月22日-9月23日 自治医科大学で開催された第3回ファージセラピー研究集会で口頭発表
- 発表者:滝田彩耶、滝田彩耶、佐々木隆臣、藤城貴史、新谷優之介、野尻怜暉、安居良太、米崎哲朗、大塚裕一
題目:大腸菌の抗ファージ因子AbpA-AbpBの活性化機構の解明(優秀発表賞 受賞)
9月21日-9月23日 茨城大学で開かれた錯体化学会第73回討論会でポスター発表
- 発表者:Shoko Ogawa, Masahide Hikita, Yuuma Oyamada, Takashi Fujishiro
題目:Understanding of substrate recognition mechanism of nickelochelatase CfbA and modification of its tetrapyrrole substrate selectivity
9月8日-10日 東京理科大学の野田キャンパス薬学部で開催された第17回バイオ関連化学シンポジウムでポスター発表
- 発表者:宍戸萌恵、藤城貴史
題目:キラターゼHemHを鋳型として用いた金属センサー人工蛍光タンパク質の創製
9月7日-9日 北海道大学で開催された日本植物学会第87回大会で研究発表
- 発表者:日原由香子(シンポジウムオーガナイザー)
題目:シアノバクテリアにおける中性脂質蓄積の諸問題とアシルプラストキノール - 発表者:米山香織
題目:ストリゴラクトンを介した植物間の根圏コミュニケーション [招待講演] - 発表者:石川寿樹
題目:リピドミクスでひも解く植物スフィンゴ脂質の代謝と機能 [招待講演] - 発表者:須田啓
題目:カルシウムシグナルと活動電位の同時測定によるハエトリソウの接触刺激受容細胞の解析 - 発表者:浅川裕樹
題目:植物メカノバイオロジーにおける代謝ロジスティックスイメージング
9月7日-8日 長崎で開催された第35回生物無機化学夏季セミナーでポスター発表
- 発表者:小川翔子、小山田勇真、引田理英、藤城貴史
題目:ニッケルキラターゼCfbAの基質選択機構の解明
9月5日-7日 北海道大学で開催された第35回植物脂質シンポジウムで口頭発表
- 発表者:石川寿樹、平井晴菜、戸川昂祐、鈴木雄介、白木夕姫乃、山口雅利、川合真紀
題目:異なる糖鎖型をもつ植物スフィンゴ糖脂質の特異機能
9月1日 大宮ソニック市民ホールで開催された 第21回 環境問題の現況と将来を展望するセミナー (埼玉県生物多様性センター・一般社団法人埼玉県環境検査研究協会 共同主催) にて招待講演
- 発表者:豊田正嗣
題目:生物の不思議を知る ~多様な植物の驚きの機能~
8月25-26日 弘前大学で開催された第10回ファージ研究集会でポスター発表
- 発表者:寺﨑陽香、大塚裕一
題目:ファージ尾繊維と⼤腸菌レセプター分⼦ OmpC の相互作⽤(発表賞 受賞) - 発表者:劉可、 佐々木優香、 吉岡瑞貴、茂木優奈、大塚裕一
題目:大腸菌O157株がもつトキシン-アンチトキシン系ECs3274-ECs3275の解析(発表賞 受賞) - 発表者:滝田彩耶、 佐々木隆臣、大塚裕一
題目:大腸菌の抗ファージ因子AbpA-AbpBの活性化機構の解明
7月16日-7月21日 オーストラリアのアデレードで開催されたThe 20th International Conference on Biological Inorganic Chemistry (ICBIC20)でポスター発表
- 発表者:Shoko Ogawa, Masahide Hikita, Yuuma Oyamada, Takashi Fujishiro
題目:Understanding and rational alteration of tetrapyrrole substrate selectivity of nickelochelatase CfbA
7月4日-8日 韓国の慶州で開催された The 24th International Conference on Plant Growth Substancesで招待講演
- 発表者:米山香織
題目:Regulation of strigolactone biosynthesis/exudation
6月26日-27日 ニューウェルシティ湯河原で開催された第17回ウイルス学キャンプでポスター発表
- 発表者:柴田惠子、高橋朋子
題目:ヒト細胞における抗ウイルスmicroRNAの同定とその機能解析 - 発表者:森泉陽音、高橋朋子
題目:RNAサイレンシング因子TRBPの抗ウイルス免疫応答における機能解析
6月18日-23日 スペイン・マラガで開催されたXVI Plant Cell Wall Meetingでポスター発表
- 発表者:Yuta Numao, Yoichi Tsumuraya, John Humphries, Kim Johnson, Antony Bacic, Toshihisa Kotake, Daisuke Takahashi
題目:Structural differences between membrane-bound and apoplastic arabinogalactan-proteins (AGPs) and their response to low temperature
6月17-18日 さいたま市で開催された第68回低温生物工学会で研究発表
- 発表者:高橋大輔
題目:草本植物の細胞膜および細胞壁の低温応答に関する研究 [受賞講演] - 発表者:菊地拓真、曽我康一、小竹敬久、高橋大輔
題目:ペクチン側鎖のガラクタンおよびアラビナンが植物の低温応答に及ぼす影響 [口頭発表] - 発表者:菊地由華、小竹敬久、高橋大輔
題目:シロイヌナズナナチュラルアクセッションにおける細胞壁の低温応答性 [口頭発表]
6月16日 広島大学で開催された統合生命科学研究科セミナーで招待講演
- 発表者:高橋朋子
題目:ヒトゲノムにコードされたmicroRNAによる抗ウイルス免疫
6月5日-9日 幕張メッセで開催されたThe 33rd International Conference on Arabidopsis Researchでポスター発表
- 発表者:荒谷優里
題目:Real-time visualization of green leaf volatile-sensory Ca2+signaling in Arabidopsis
6月3日-4日 名古屋大学 野依記念学術交流館で開催された 第13回日本光合成学会年会でポスター発表
- 発表者:中村陸玖、立花将伍、日原由香子
題目:シアノバクテリアSynechocystis sp. PCC 6803のパートナースイッチング制御系が強光順化応答に果たす役割 - 発表者:谷川梨瑚、石川寿樹、溝口大樹、園池公毅、日原由香子
題目:シアノバクテリアにおける中性脂質蓄積の解析 - 発表者:小島俊太、西山佳孝
題目:光化学系 II の Two-step 光損傷機構の解析 - 発表者:小川敬子、高橋拓子、西山佳孝、日原由香子、園池公毅
題目:シアノバクテリアに特有のクロロフィル蛍光上昇による過剰エネルギー放散機構の解析 - 発表者:Pornpan Napaumpaiporn, Takako Ogawa, Kintake Sonoike, Yoshitaka Nishiyama
題目:Improved capacity for the repair of photosystem II under strong light via alteration of antioxidative systems
5月26日-5月28日 姫路で開催された第13回食虫植物国際会議で口頭発表
- 発表者:須田啓
題目:触れられたことを感知するハエトリソウ
5月22日-5月26日 Madison (WI) で開催された Plant Cell Dynamics 2023で口頭発表
- 発表者:萩原拓真
題目:Mechanical stimuli trigger long-range calcium and electrical signals in Mimosa pudica - 発表者:仲野亜美
題目:Live-cell imaging using near-infrared fluorescent proteins in Arabidopsis roots
5月20日-5月21日 慶應大学日吉キャンパスで開催された第2回生命金属シンポジウムでポスター発表
- 発表者:宍戸萌恵、小山田勇真、藤城貴史
題目:疎水空間と金属結合部位を併せ持つHemHを鋳型とした金属センサー型人工蛍光タンパク質の合成
5月13日 サイエンステクノフロンティアフォーラム(オンライン)で招待講演
- 発表者:豊田正嗣
題目:植物の全身を駆け巡る高速シグナルを可視化する