研究業績 2006年度
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原著論文発表
<遺伝情報>
- Matsumoto K, Kusaka J, Nishibori A and Hara H (2006) Lipid domains in bacterial membranes. (review) Mol Microbiol 61: 1110-1117
- 解説: 脂質分子に特異的なプローブの開発により、細菌細胞の膜には特定脂質のドメイン(領域)が存在することが発見され、Singer and Nicolson (1972) の流動モザイクモデルから考えられる脂質分子が膜に均一に分布するとの推定は否定されつつある。膜は、むしろ脂質ドメインの複雑なpatchwork構造から成っていると考えられるが、このような構造が、どのようにして作られ、また維持されるのか、その機能は何か等のきわめて難しい課題が生じている。この総説では、まずカルジオリピンとホスファチジルエタノールアミンのドメインについて、これまでに大腸菌と枯草菌で明らかにされている知見を中心に概説し、また、これらの脂質ドメインが形成・維持される機構を、各脂質分子の構造的な観点と、リン脂質合成酵素の細胞分裂隔壁領域への局在等の生理学的観点とから考察した。更に、これらの脂質ドメインが細胞分裂や胞子形成などの過程で果たす役割についても考察を加えた。(松本・原)
- Kawai F, Hara H, Takamatsu H, Watabe K and Matsumoto K (2006) Cardiolipin enrichment in spore membranes and its involvement in germination of Bacillus subtilis Marburg. Genes Genet Syst 81: 69-76
- 解説: 枯草菌胞子の膜から脂質を抽出し、その組成を分析することは、これまで困難であったが、抽出方法の工夫とコートタンパク質を欠損する脆弱な胞子を用いることにより組成分析を可能とした。その結果、栄養増殖細胞の膜に比べて胞子の膜にはカルジオリピンが顕著に多く含まれることを見出した。カルジオリピン合成酵素を欠損する変異株の胞子では、アラニン等の発芽誘導物質による発芽が出来ず、これが発芽誘導物質受容体の機能不全によることを示した。即ち、胞子の膜に蓄積しているカルジオリピンは、発芽誘導物質受容体の機能に必須であることが明らかになった。(松本・原)
- Shiba Y, Matsumoto K and Hara H (2006) DjlA negatively regulates the Rcs signal transduction system in Escherichia coli. Genes Genet Syst 81: 51-56
- 解説: 大腸菌の細胞質膜に存在するDnaJシャペロン様タンパク質DjlAは、過剰生産されるとRcsシグナル伝達系(細胞表層ストレスに応答して莢膜多糖合成系遺伝子群などの発現を制御するリン酸リレー系)を活性化することが知られていたが、djlA欠損変異株やクローン化djlA遺伝子を低レベルで発現させた株の解析により、ほぼ正常なレベルで発現されている場合には、むしろRcs系の活性を抑制していることを明らかにした。(松本・原)
- Nagahama H, Sakamoto Y, Matsumoto K and Hara H (2006) RcsA-dependent and -independent growth defects caused by the activated Rcs phosphorelay system in the Escherichia coli pgsA null mutant. J Gen Appl Microbiol 52: 91-98
- 解説: 大腸菌の主要酸性リン脂質をまったく合成できないpgsA完全欠損変異株では、Rcsリン酸リレーシグナル伝達系が活性化し、その結果、高温での生育に欠損が生じる。Rcs系のレスポンスレギュレーターである転写制御因子RcsBによって制御される遺伝子群には、RcsBホモダイマーの制御下のものと、補助的転写因子RcsAとRcsBとのヘテロダイマーの制御下のものとがある。pgsA完全欠損変異株では、RcsAがなくても、活性化したRcsBホモダイマーの働きで42℃で溶菌が起こる一方、37℃以下では正常に生育するが、RcsAがあると、RcsABヘテロダイマーの働きで37℃でも生育が著しく悪くなり、Rcs系活性化による生育欠損には、RcsA依存性と非依存性の2つの局面があることを明らかにした。(松本・原)
<生体物質>
- Ichinose H, Kotake T, Tsumuraya Y and Kaneko S (2006) Characterization of an exo-beta-1,3-galactanase fromStreptomyces avermitilis NBRC14893 acting on arabinogalactan-proteins. Biosci Biotechnol Biochem 70: 2745-2750
- 解説: 植物細胞壁に存在するアラビノガラクタン-プロテインは、自然界では様々な微生物の各種糖鎖分解酵素の作用を受けて代謝されると考えられる。アラビノガラクタン-プロテイン糖鎖の骨格部分を形成するβ-1,3-ガラクタンに作用するエキソ-β-1,3-ガラクタナーゼは現在までに、カビと細菌から見出されている。本研究では、新たに放線菌にも本酵素が含まれていることを示すとともに、その酵素学的諸性質を明らかにした。アラビノガラクタン-プロテイン糖鎖が自然界の多岐に渡る生物種によって代謝されていることが判った。本研究は、食品総合研究所との共同研究により進められた。(円谷・小竹)
- Kotake T, Tsuchiya K, Aohara T, Konishi T, Kaneko S, Igarashi K, Samejima M and Tsumuraya Y (2006) An alpha-L-arabinofuranosidase/beta-D-xylosidase from immature seeds of radish (Raphanus sativus L.). J Exp Bot 57: 2353-2362
- 解説: 高等植物の細胞壁に普遍的に存在するアラビノガラクタン-プロテインは、植物体内で各種糖質分解酵素の作用を受けて、分解・代謝・構造改変される。本研究ではアラビノガラクタン-プロテイン糖鎖のα-L-アラビノフラノシル残基に作用するα-L-アラビノフラノシダーゼをダイコンからクローニングした。ダイコンのα-L-アラビノフラノシダーゼ遺伝子を導入したシロイヌナズナでは、α-L-アラビノフラノシダーゼ活性が増加するとともに、細胞壁中のアラビノース含量が低下していた。植物の中では、β-ガラクトシダーゼ(Kotake et al.2005)やα-L-アラビノフラノシダーゼが協調的に作用することで、効率的にアラビノガラクタン-プロテインを分解していることが予想される。(円谷・小竹)
- Ichinose H, Kuno A, Kotake T, Yoshida M, Sakka K, Hirabayashi J, Tsumuraya Y and Kaneko S (2006) Characterization of an exo-beta-1,3-galactanase from Clostridium thermocellum. Appl Environ Microbiol 72: 3515-3523
- 解説: 植物細胞壁に存在するアラビノガラクタン-プロテインは、自然界ではカビ・キノコ、バクテリアの各種糖鎖分解酵素の作用を受け、これらに栄養源・炭素源として利用されると考えられる。本研究では、アラビノガラクタン-プロテイン糖鎖の骨格部分を形成するβ-1,3-ガラクタンに作用するエキソ-β-1,3-ガラクタナーゼをClostridium thermocellumより単離し、その性質を明らかにした。Clostridium thermocellumのエキソ-β-1,3-ガラクタナーゼのアミノ酸配列は、既に単離したPhanerochaete chrysosporium(キノコの一種、Ichinose et al. 2005)と相同で、大腸菌により作成した組換え酵素は、アラビノガラクタン-プロテイン糖鎖のβ-1,3-ガラクタンに作用した。本研究は、食品総合研究所との共同研究により進められた。(円谷・小竹)
<代謝>
- Higo A, Katoh H, Ohmori K, Ikeuchi M and Ohmori M (2006) The role of a gene cluster for trehalose metabolism in dehydration tolerance of filamentous cyanobacterium Anabaena sp. PCC 7120. Microbiology 152: 979-987
- 解説: Anabaena sp. PCC 7120株において乾燥ストレス時に誘導されるトレハロース代謝酵素遺伝子群はオペロンを形成していることが示された。そのうちトレハロース合成酵素遺伝子は乾燥時のトレハロース蓄積に関与すること、また、トレハロース含量とシャペロン遺伝子の発現量との間に相関があり、乾燥耐性獲得に寄与することが明らかとなった。(大森)
- Suzuki T, Yoshimura H, Ehira S, Ikeuchi M and Ohmori M (2006) AnCrpA, a cAMP receptor protein, regulates nif-related gene expression in the cyanobacterium Anabaena sp. strain PCC 7120 grown with nitrate. FEBS Lett 581: 21-28
- 解説: CRPは、シグナル伝達物質であるcAMPを結合して働く転写調節因子である。本研究では、Anabaena sp. PCC 7120株のCRPであるAnCrpAについて、その制御下にある遺伝子を、DNAマイクロアレイ解析によって同定した。ancrpA変異株では野生株に比べて、窒素固定に関わる遺伝子クラスター等の発現レベルが低くなっていた。また、それらの遺伝子の上流域へのAnCrpAの結合をゲルシフト解析によって調べ、AnCrpAの結合配列を同定した。(大森)
- Ehira S and Ohmori M (2006) NrrA, a nitrogen-responsive response regulator facilitates heterocyst development in the cyanobacterium Anabaena sp. strain PCC 7120. Mol Microbiol 59: 1692-1703
- 解説: 糸状性ラン藻Anabaena sp. PCC 7120はヘテロシストと呼ばれる細胞を分化させ,窒素固定を行う。本論文では,DNAマイクロアレイを用いてヘテロシスト分化過程での遺伝子発現の変化を解析した。その結果,新規転写因子NrrAがヘテロシスト分化の制御において重要な役割を果たす可能性が示唆された。(大森)
- Ehira S and Ohmori M (2006) NrrA directly regulates expression of hetR during heterocyst differentiation in the cyanobacterium Anabaena sp. strain PCC 7120. J Bacteriol 188: 8520-8525
- 解説: 本論文では転写因子NrrAの発現タンパク質を用いて,その機能解析を行った。その結果,NrrAはヘテロシスト分化の鍵となる遺伝子hetRの発現を直接的に制御する転写因子であることが示された。本論文により,ヘテロシスト分化を制御する初期転写カスケードが明らかとなった。(大森)
- Nakamura K and Hihara Y (2006) Photon flux density-dependent gene expression in Synechocystis sp. PCC 6803 is regulated by a small, redox responsive, LuxR-type regulator. J Biol Chem 281: 36758-36766
- 解説: シアノバクテリアの遺伝子発現は、光合成電子伝達鎖の酸化還元状態によって調節を受けていることが知られているが、これまでにそのシグナル伝達経路の実態は全く分かっていなかった。本論文は、シアノバクテリアSynechocystis sp. PCC 6803で、この制御系に関わる転写制御因子を初めて同定し、その詳しい解析を行ったものである。この転写制御因子PedRは、弱光条件下(光合成電子伝達活性が低い)では活性型を取り、いくつかの遺伝子の転写を正あるいは負に制御しているが、強光条件下(光合成電子伝達活性が高まる)に移されると、一過的に不活化され、結果としてその制御下にある遺伝子の発現が変動することを明らかにした。またPedRが、不活化に伴って構造変化を起こすことを見いだしたが、それがどのようなメカニズムによるのかの解明は、今後の課題である。本論文は、平成15年度から17年度まで、代謝学研究室に在籍した中村さんの、卒業研究、修士課程での研究成果をまとめたものである。(日原)
- Muramatsu M and Hihara Y (2006) Characterization of high-light-responsive promoters of the psaAB genes inSynechocystis sp. PCC 6803. Plant Cell Physiol 47: 878-890
- 解説: シアノバクテリアの光化学系Ⅰ複合体は、光捕集が律速となる弱光条件下で増加し、光エネルギーが過剰となり、有害な活性酸素分子種が生成するリスクの高まる強光条件下では減少する。光化学系Ⅰ複合体を形成する12 個のサブユニットの遺伝子(以後、系Ⅰ遺伝子と略す)は、Synechocystis sp. PCC 6803の場合、ゲノム上に分散して存在しているが、その発現レベルは光強度に依存した統一的な制御を受けており、弱光下では豊富に蓄積している転写産物が、強光下に移すと1時間以内に完全に消失するほどの発現抑制が観察される。我々は、この統一的な光応答のメカニズムを解明する第一歩として、反応中心サブユニットをコードするpsaAB遺伝子のプロモーター構造解析を行った。その結果、この遺伝子が二つのプロモーターを持つこと、それぞれのプロモーターが異なるメカニズムにより光応答を示すことを明らかにした。本論文は、平成13年度から15年度まで、代謝学研究室に在籍した村松君の修士課程での研究成果をまとめたものである。(日原)
<細胞生化学>
- Wakayama M, Ohnishi J and Ueno O (2006) Structure and enzyme expression in photosynthetic organs of the atypical C4 grass Arundinella hirta. Planta 223: 1243-1255
- 解説: C4植物トダシバは、維管束に接していない維管束鞘細胞(DC: distinctive cells)を持っているちょっと変わったC4植物です。この論文で、トダシバには、殆どすべての緑色器官でDCを作る(維管束が少ないのに、C4光合成をできる)能力があることが分かりました。DCを作る仕組みをC3植物の作物に導入できれば、高温・乾燥に強い米や麦ができますね。温暖化が予想され、実現しつつある現在,有望な試みではありませんか。DCを作る分子機構を研究しようという人歓迎です。(大西)
<植物分子生理>
- Okazaki K, Sato N, Tsuji N Tsuzuki M and Nishida I (2006) Significance of C16-fatty acids in the sn-2 positions of glycerolipids in the photosynthetic growth of Synechocystis sp. PCC6803. Plant Physiol 141: 546-556
- 解説: 光合成生物であるシアノバクテリアは、膜脂質に結合した脂肪酸の鎖長を厳密に制御していることが知られていたが、今回、この制御の破壊された変異株を作出することに成功した。作出した変異株の脂質には、これまで取り込まれていたパルミチン酸(C16飽和脂肪酸)にかわり、ステアリン酸(C18飽和脂肪酸)、オレイン酸、リノール酸(以上C18 不飽和脂肪酸)などが取り込まれていた。このような変異株では、光合成条件での生育が悪くなり、特に光に対する感受性が高まることを発見した。光に対する感受性(光阻害現象と呼ばれる)は、光化学反応中心のタンパク質の分解と再合成のバランスによって決まることがすでに知られている。今後は、われわれの作出した変異株で、光阻害のどの段階の感受性が高まったかを明らかにする必要がある。(西田)
- Free link to the first proof: pp.105.075796v1.pdf
http://www.plantphysiol.org/cgi/content/short/pp.105.075796?keytype=ref&ijkey=m0l8yCHRBSL1kbZ
- Mizoi J, Nakamura M and Nishida I (2006) Defects in CTP:PHOSPHORYLETHANOLAMINE CYTIDYLYLTRANSFERASE affect embryonic and postembryonic development in Arabidopsis. Plant Cell, in press
- 解説: ホスファチジルエタノールアミン(PE)は生体膜に含まれるリン脂質でありながら、単独では脂質二重膜を形成しない性質を持っている(西田研HP参照:http://atman.phy.saitama-u.ac.jp/~nishida/taisha.html)。このようなユニークな性質を持つPEは細菌類から高等な真核生物に至るまで、普遍的に細胞膜やオルガネラ膜に含まれている。大腸菌、酵母、ホ乳類培養細胞などを用いた実験から、PEは細胞分裂やタンパク質の分泌などの細胞機能に必須のリン脂質であることがわかっている。今回、われわれは、シロイヌナズナでPE の生合成を律速すると考えられるCTP:ホスホリルエタノールアミンシチジリルトランスフェラーゼ(略してPECT)の活性が低下した変異株(pect1変異株)を単離し、その個体・組織レベルの表現型を解析することにより、PECT1遺伝子がシロイヌナズナの胚発生、個体成長、および生殖成長においてきわめて重要なはたらきをもつことを明らかにした。PECT1遺伝子は細胞のミトコンドリアの外表面に存在することもあきらかにしたが、これは、PEの生合成が行われる小胞体膜とは異なる場所である点は注目される。今後は、PECT1タンパク質がミトコンドリア表面に局在するしくみをあきらかにするとともに、PEレベルが最も低下しているのはどのオルガネラか、PEレベルの低下はオルガネラの動態や活性にどのような影響を与えるのかなどの疑問に答えることにより、植物の細胞・組織・個体レベルにおける PE生合成の生理的意義を明らかにしたいと考えている。(西田)
- Free link to the first proof: tpc.106.040840v1.pdf
http://www.plantcell.org/cgi/content/short/tpc.106.040840?keytype=ref&ijkey=qfbnt3z3tPKzKZO
- Awai K, Xu C, Tamot B and Benning C (2006) A phosphatidic acid-binding protein of the chloroplast inner envelope membrane involved in lipid trafficking. Proc Natl Acad Sci USA 103: 10817-10822
- 解説: 植物葉緑体を構成する脂質は葉緑体内で合成される経路(原核型経路)と、一度葉緑体外に出た脂質が再度葉緑体に戻り、変換される経路(真核型経路)の2つの経路で合成されることが知られている。しかし、一度葉緑体外に出た脂質がどのようにして再度葉緑体に戻ってくるのかは全くわかっていなかった。最近、真核型経路が阻害された変異株がモデル植物であるシロイヌナズナから単離された。本論文では、その変異株のひとつ、tgd2遺伝子をマップベースクローニングにより同定し、マルチサブユニット型ABCトランスポーターの基質結合蛋白質であることを突き止めた。このタンパク質は葉緑体内包膜に局在し、フォスファチジン酸(PA)を特異的に結合することから、PAトランスポーターの一因子として機能していると推測された。(粟井)
- Awai K, Kakimoto T, Awai C, Kaneko T, Nakamura Y, Takamiya K, Wada H and Ohta H (2006) Comparative genomic analysis revealed a gene for monoglucosyldiacylglycerol synthase, an enzyme for photosynthetic membrane lipid synthesis in cyanobacteria. Plant Physiol. 141: 1120-1127
- 解説: 植物の光合成装置である葉緑体チラコイド膜を構成する脂質の半分はモノガラクトシルジアシルグリセロール(MGDG)と呼ばれる、1分子のガラクトースがジアシルグリセロールに結合した脂質である。この脂質はラン藻チラコイド膜にも多量に存在し、そのことがラン藻を葉緑体の起源だとする細胞内共生説の一つの根拠ともなっている。しかし、植物とラン藻では、同じMGDGを持つにも関わらず、その合成経路が異なることが、生化学的解析から明らかとなっていた。本論文では、2種のラン藻を用いた比較ゲノム科学的な解析から、これまで不明であった、ラン藻型のMGDG合成を担う酵素遺伝子の同定に成功した。これは、植物とラン藻の光合成脂質合成経路の違いを分子生物学的に証明した初めての報告であり、光合成に重要な脂質であるMGDGが何故必要なのかを明らかにする上で、重要な知見である。(粟井)
学会発表
3月30日-3月31日 国立遺伝学研究所で開催された「遺伝研研究会―細胞周期制御をめぐる単細胞システム分子生物学」にて研究発表
- 発表者:原 弘志、松本幸次
題目:大腸菌の主要酸性リン脂質欠損変異株の高温感受性と細胞表層ストレス応答シグナル伝達系の活性化
3月28日 - 3月30日 愛媛大学で開催された「第48回日本植物生理学会年会」にて研究発表
[シンポジウム]
- 発表者:仲本 準
題目:シアノバクテリアのストレス耐性と分子シャペロン - 発表者:大森正之、得平茂樹、鈴木崇之、肥後明佳、木村聡、吉村英尚
題目:シアノバクテリアにおける環境ストレス応答性信号伝達系のマイクロアレイ解析
[口頭発表]
- 発表者:藤田清仁、太田にじ
題目:原始紅藻C. merolaeの核、葉緑体ゲノムにおける重複遺伝子cfxQの解析 - 発表者:藤本祥恵、太田にじ
題目:原始紅藻Cyanidioschyzon merolae10Dの光合成関連タンパク質をコードする遺伝子の発現解析 - 発表者:粟井光一郎、Changcheng Xu、Banita Tamot、Christoph Benning
題目:色素体-小胞体間脂質輸送に関わるABCトランスポーター - 発表者:古西智之、小竹敬久、ソラヤディナ、金子哲、五十嵐圭日子、鮫島正浩、円谷陽一
題目:アラビノガラクタン-プロテインの糖鎖のβ-グルクロニダーゼによる分解 - 発表者:小竹敬久、北條祥子、円谷陽一
題目:L-フコキナーゼ活性とGDP-L-フコースピロホスホリラーゼ活性を有する酵素のシロイヌナズナからの単離と性状解析 - 発表者:日原由香子、村松昌幸
題目:Synechocystis sp. PCC 6803の光化学系I遺伝子群の統一的な強光応答に関わるシスエレメントの同定 - 発表者:皆川俊、佐藤壮志、仲本準
題目:シアノバクテリアSynechococus sp.PCC 7942におけるHtpG各ドメインと30KDaリンカーとの相互作用解析 - 発表者:佐藤慎一郎、仲本準
題目:好熱性シアノバクテリアThermosynechococcus elongatusのシャペロニンGroEL2の発現及び機能 - 発表者:岡本直樹、光岡 薫、仲本 準
題目:シアノバクテリアSynechococcus sp. PCC 7942株におけるフィコビリソームの窒素栄養状態に応じた分解及び再構築に果たすHtpGの役割
[ポスター発表]
- 発表者:是枝晋、森田邦男、中俣浩介、大西純一
題目:通性CAM 植物アイスプラント・グルコース-6-リン酸/ リン酸輸送体遺伝子の構造 - 発表者:村松昌幸、園池公毅、日原由香子
題目:Synechocystis sp. PCC 6803 の強光順化に関わる調節タンパク質PmgA の機能解析 - 発表者:関根康介、藤原誠、中山雅登、長谷俊治、佐藤直樹
題目:亜硫酸還元酵素のDNA 結合活性 - 発表者:永井武志、太田にじ
題目:Cyanidium caldarium RK-1 株の色素体ゲノムの全塩基配列がほぼ決定した
3月24日-3月27日 東京農業大学で開催された「日本農芸化学会2007年度大会」にて研究発表
- 発表者: 朝井 計、松崎 邦彦、石渡 啓介、定家 義人
題目:枯草菌の環境応答シグマ因子多重破壊株の解析 - 発表者: 福島 早苗、池田 由香里、長谷川 真紀、岡田 真乙、周藤 悟志、原 弘志、松本 幸次、吉川 博文
題目:リン脂質合成系と細胞分裂関連タンパク質のインタラクトーム解析 - 発表者:渡辺 智、小林 利彰、斉藤 勝和、佐藤 真純、荷村(松根) かおり、千葉櫻 拓、竹谷 茂、仲本 準、吉川 博文
題目:シアノバクテリアSynechococcus elongatus PCC 7942 におけるHtpGタンパク質によるポルフィリン合成制御機構の解析
3月1日-3月3日 かずさアカデミアホール(木更津)で開催された「第1回日本ゲノム微生物学会年会」にて研究発表
- 発表者:飯田 充一
題目:Bacillus属細菌のECFシグマ因子制御系の比較解析 - 発表者:太田 にじ
題目:色素体ゲノムの比較と核ゲノムへの遺伝子移行 - 発表者:Yee Lii mien
題目:枯草菌SPβ及びSP10ファージのゲノム解析 - 発表者:木村 聡
題目:糸状性ラン藻Anabaena sp. PCC 7120におけるレスポンスレギュレーターOrrAの機能解析 - 発表者:永井 武志
題目:Cyanidium caldarium RK-1株の色素体ゲノムの塩基配列の解析 - 発表者:松崎 邦彦
題目:枯草菌のストレス応答シグマ因子の多重欠失株の構築と解析 - 発表者:矢野 晃一
題目:Digoxigeninを用いたnon-RI in vitro transcription systemの構築
3月1日 東京工業大学で開催された「顕微鏡学会関東支部会」にて研究発表
- 発表者:坂本 君江、仲本 準、金子 康子
題目:水生食虫植物ムジナモの消化過程の観察1.プロテアーゼ活性の発現と分泌
1月21日-1月28日 米国Venturaで開催された、ゴードンコンファレンス「植物の温度ストレス」にて招待講演
- 発表者:西田生郎
題目:Isolation of a mutant that shows an enhanced degree of freezing tolerance and restricted sucrose export activity in source Leaves of Arabidopsis thaliana
1月17日 東京で開催された、日本学術会議主催の第23回宇宙利用シンポジウムにて研究発表
- 発表者:小竹 敬久、金原 知也、曽我 康一、若林 和幸、保尊 隆享、円谷 陽一
題目:重力シグナルがイネのβ-1,3:1,4-グルカン合成活性に与える影響
12月11日-12月12日 つくば国際会議場で開催された「特定領域研究「生体超分子構造」第3回公開シンポジウム」にて研究発表
- 発表者: 岡本直樹、光岡 薫、仲本 準
題目: 集光性超分子フィコビリソームの分解・再構築への分子シャペロンHtpGの関与
12月9日 静岡大学で行なわれた植物分子デザイン研究グループ主催のシンポジウム「植物における高温耐性の分子メカニズム」にて招待講演
- 発表者:仲本準
題目:光合成細胞のストレス応答と分子シャペロン
12月8日 名古屋で開催された「日本分子生物学会2006フォーラム」にて研究発表
- 発表者:定家多美子、定家綾、高田正男、浜野圭一、大西純一、太田にじ、松本幸次、定家義人
題目:低曝気浄化槽汚泥のメタゲノム解析、 - 発表者:内山 純爾、原 弘志、松崎 博、松本 幸次
題目:大腸菌酸性リン脂質欠損による鞭毛マスターオペロンflhDC転写抑制におけるシグマSの働き - 発表者:松浦 孝枝、寺山 泰司、宇佐美 論、堀越 弘毅、原弘志、松本 幸次
題目:枯草菌ykoN遺伝子産物の酵素機能 - 発表者:周藤 悟志、工藤 ゆかり、日下 仁、原 弘志、松本 幸次
題目:枯草菌細胞におけるリン脂質合成酵素の隔壁局在機構の解析
11月24日-11月25日 佐賀大学で開催された「第19回植物脂質シンポジウム」にて研究発表
- 発表者:岡崎久美子、佐藤典裕、辻紀子、都筑幹夫、西田生郎(埼玉大学、東京薬科大学)
題目:ラン藻Synechocystis sp. PCC6803におけるグリセロ脂質sn-2位脂肪酸の役割 - 発表者:溝井順哉、西田生郎
題目:シロイヌナズナではCTP:ホスホリルエタノールアミンシチジリルトランスフェラー是活性の低下が稔性に影響する - 発表者:粟井光一郎、C. Peter Wolk
題目:糸状性ラン藻特異的脂質の合成に関わる糖転移酵素
11月12日-11月16日 沖縄コンベンションセンターで開催された「第5回東アジア生物物理学シンポジウム・第44回日本生物物理学会年会合同会議」にて研究発表
- 発表者:仲本 準、岡本直樹、宮城和樹、佐藤壮志
題目:Involvement of the molecular chaperone HtpG in the degradation and re-assembly of phycobilisomes in cyanobacteria.
11月9日-11月11日 農業気象学会東北支部主催のシンポジウム「生物の温度・ストレス反応-最近の話題から-」にて招待講演。また、東北農業研究センターで研究指導を行った。
- 発表者:西田生郎
題目:植物の低温での糖蓄積と耐凍性
11月5日-11月7日 インハ大学(大韓民国)からBrain Korea 21プログラムで招聘され、招待講演
- 題目:Defects in CTP:phosphorylethanolamine cytidylyltransferase cause embryonic and postembryonic abnormalities inArabidopsis thaliana
10月28日 東京で開催された「日本微生物生態学会」にて研究発表
- 発表者:定家多美子、定家 綾、高田正男、浜野圭一、大西純一、太田にじ、 松本幸次、定家義人
題目:低曝気浄化槽のメタゲノム解析
9月25日-9月27日 つくば国際会議場で開催された「日本遺伝学会第78回大会」にて研究発表
- 発表者:定家 義人、中舘 久、福井 玲子、朝井 計
題目:枯草菌グルコマンナン分解利用オペロン - 発表者:朝井 計、定家 義人
題目:枯草菌ストレス応答シグマ因子SigW の活性制御の分子機構 - 発表者:飯田 充一、朝井 計、定家 義人
題目:Bacillus 属関連細菌のECFシグマ因子の解析 - 発表者:松崎 邦彦、朝井 計、定家 義人
題目:枯草菌のストレス応答遺伝子群の解析 - 発表者:宮川 宏義、松本 幸次、原 弘志
題目:大腸菌Rcsリン酸リレーシグナル伝達系を制御する外膜リポタンパク質RcsFの機能解析 - 発表者:工藤 ゆかり、周藤 悟志、日下 仁、原 弘志,松本 幸次
題目:リン脂質合成酵素を分裂隔壁に局在させる機能領域の解析 - 発表者:渡邊 倫史、岩下 静香、松本 幸次、原 弘志
題目:大腸菌のtoxinリポタンパク質EcnBの成熟段階と毒性発現
9月11日-9月13日 大阪大学で開催された「第58回 日本生物工学会大会」にて研究発表
- 発表者:伊原 正喜、仲本 準、大倉 一郎、蒲池 利章、前田 瑞夫
題目:シトクロム c3 をクロスリンクした光合成反応中心からヒドロゲナーゼへの直接的電子移動による光水素生産
9月3日-9月8日 札幌コンベンションセンターで開催された国際会議「The 16th International Microscopy Congress」にて研究発表
- 発表者:金子康子、新田浩二、Radostin Danev、仲本準、永山國昭 (招待講演)
題目:Visualization of in vivo ultrastructure of ice embedded cyanobacteria by Hilbert differential contrast transmission electron microscopy - 発表者:坂本君江、佐山秀明、仲本準、松島久、金子康子 (口頭発表)
題目:Ultrastructural changes during digestion and absorption in the aquatic carnivorous plant Aldrovanda vesiculosa
8月27日-9月1日 フランスのPauで開催された「第12回国際原核光合成生物会議」(通称 ISPP2006)にて研究発表
- 発表者:日原由香子、村松昌幸
題目:The mechanism of coordinated light response of genes encoding subunits of photosystem I in Synechocystis sp. PCC 6803. - 発表者:村松昌幸、園池公毅、日原由香子
題目:The activity of chlorophyll a biosynthesis determines the amount of photosystem I complex under high-light conditions in a cyanobacterium Synechocystis sp. PCC 6803 - 発表者:得平茂樹、大森正之
題目:NrrA, a nitrogen-responsive response regulator facilitates heterocyst development in Anabaena sp. strain PCC 7120 - 発表者:齋藤勝和、渡辺智、小林利彰、吉川博文、仲本準
題目:Interaction between Cyanobacterial HtpG and Uroporphyrinogen Decarboxylase
8月23日-8月25日 仙台で開催された「日本糖質学会年会」で研究発表
- 発表者:小竹敬久、平野恒、神原久美子、綱香穂里、金子康子、空閑重則、円谷陽一、川崎信二
題目:イネのカマイラズ遺伝子(BRITTLE CULM 3)は二次細胞壁合成に関わる細胞内膜輸送因子をコードする - 発表者:古西智之、小竹敬久、円谷陽一
題目:ダイズのガラクトース転移酵素によるβ-1,4-ガラクタンの伸長反応
8月7日-8月9日 湘南国際村センター国際会議場で開催された「特定領域研究 生体超分子の構造形成と機能制御の原子機構:平成18年度第二回ワークショップ」にて研究発表
- 発表者:仲本準、岡本直樹、山岡巧、佐藤壮志
題目:集光性超分子フィコビリソームの構造形成に果たす分子シャペロンの役割
7月16日-7月21日 ミシガン州立大学(USA)で開催された「第17回国際植物脂質シンポジウム」(http://www.ispl2006.msu.edu/)にて研究発表
- 発表者:西田生郎
題目:Importance of the gene for CTP:phosphorylethanolamine cytidylyltransferase in the embryonic and postembryonic growth of Arabidopsis thaliana - 発表者:粟井光一郎
題目:A phosphatidic acid translocator at the inner chloroplast envelope membrane - 発表者:岡崎久美子
題目:Physiological significance of C16-fatty acids in the sn-2 positions of cyanobacterial glycerolipids